鍵・錠前のトラブルで専門業者に相談前に確認しておくこととは?
鍵の調子が悪かったり、紛失や故障で交換が必要になったりした場合など、どのように対処されていますか。修理してほしいとか、交換してほしいという明確なご要望だけでなく、取り急ぎ診てほしいという不安な時も、精密機械である鍵のことは、プロである専門店へお問い合わせいただくのをお勧めします。では、どのようにご相談、問い合わせをすればスムーズなのか、そこにはちょっとしたコツがあります。
防犯上の肝であり、精密機械でもある鍵は、ちょっとした不具合や故障も気になりますし、ご自身で解決できない場合も少なくありません。そんな時は、小さなことでもぜひ鍵のプロや専門店(賃貸住宅や事務所などの場合は管理会社に)ご相談いただくとよいでしょう。ただ問題はどのように相談するか、ではありませんか。
まずやるべきことは不具合の状態、つまり症状を確認することです。鍵が鍵穴に入らないとか回らないとか、変な音がするとか、そもそもそれに気づいたのがいつで、それからどのくらい経過しているのか、等々。もちろん原因がわからないのは当然ですが、どのような事象が起こっているのか、あるいは起こったのか、ご相談時にお伺いしたいことの第一はそれらになります。
さらには、患部がどこなのか。キーが折れた・曲がってしまった、シリンダーやサムターンが動かない、または、扉の取っ手部分(ドアノブやレバーハンドル)の問題か、ドア自体かクローザーの不調か。正常な動作をしない箇所をわかる範囲で特定してください。
それらをわかる範囲で特定できたら、鍵のメーカーや種類、型番、どんな鍵やドアなのかなど調べるとよいでしょう。もちろんそれらは細かくて専門的な情報なので、わかる範囲で結構です。わからなくても問題ありません。鍵の専門店はプロですから、どんな場合も親身に対応します。
賃貸住宅やオフィスなどの場合は、管理会社にまず問い合わせるのが基本です。管理会社に対しても、先に上げた症状や患部、製品情報を伝達しましょう。彼ら自身が対応するか、その先の専門業者に任せるかは、管理会社が判断してくれます。
錠前の種類・構造と調べ方
症状や患部は実際の出来事をそのまま伝えていただくことですが、鍵の情報については多少知識が必要かもしれません。たとえば「錠」や「錠前」という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどの部分を指すのか知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで知っておくと便利な基本を押さえておきましょう。
ドアなどを施錠する道具のことを一般的に鍵と言いますが、扉に付いている金具部分も鍵と表現されることがあります。しかし実際は、ドアについている金具部分を錠(英語では「ロック」)といい、普段持ち歩く錠を施解錠するための道具を鍵(英語では「キー」)といいます。錠前は、この錠と鍵のセットを指します。
その他、よく出てくる言葉として、ドアの外側(室外側)にある、鍵を差し込む鍵穴部分のことをシリンダーといい、ドアの内側(室内側)のつまみのついた部分のことをサムターンといいます。これらも錠を構成する要素です。
次に錠前内のシリンダー(鍵穴部分)の種類です。鍵にはギザギザの切り込みが入ったものやポツポツと円形の窪みがあるものなどがありますが、それらは錠のシリンダーの種類が異なることを意味しています。円形の窪みの鍵はディンプルシリンダーといいます。その他、磁石が埋め込まれたものなどもあります。
また、玄関ドアに取り付けられる錠にも種類があります。マンションやアパート、オフィスビルなど多く使われているのは、ドアノブやレバーが一体になったケースロックと呼ばれる錠前、ハンドルを押し引きして開閉するプッシュプル錠、ドアノブとシリンダーが一体になったインテグラル錠、手元の突起部分を下げて開閉するサムラッチ錠(装飾錠)、室内側に錠ケースが露出している面付箱錠などが一般的です。
合鍵を作る時に知っておきたいこと
家族が増えた時、お子さんが成長して鍵を持たせる時など、合鍵を作る際も、知っておきたいことがあります。
合鍵には、メーカーに依頼する純正キーと、「ブランクキー」という鍵の型(かた)を専用の機械で基となるキーに合わせて削った複製キーがあります。複製キーは、その場で作れるので緊急の場合などは便利です。純正キーは、鍵に刻印されたキーナンバーをもとに、錠前メーカーの工場で製作されます。そのため、製作日数はややかかりますが、高精度でシリンダー構造を痛めにくいことから、メーカーに推奨されています。それぞれの特性を理解した上で、依頼することが大切です。(鍵の種類によってはその場で複製ができないものもあります)
純正キーには、キーヘッド(鍵を摘まむ部分)にメーカー名(例:MIWA)と数字とアルファベットから成る10桁ほどのキーナンバーが刻印されています。キーナンバーには使用されている物件情報がメーカーに登録されている場合もあって取り扱いには注意が必要ですが、純正キーを注文する際などには必要となるので、少なくとも刻印されている場所は知っておくとよいかもしれません。
錠前の型番・品番・製造番号の調べ方
できるだけ情報を押さえておくと、問い合わせや相談の際にも状況が伝わりやすくてスムーズです。ちなみに賃貸住宅の場合は契約等もあり、先に管理会社へ相談いただくことをご案内することもございますが、鍵のどのようなお困りごとでも親身にお応えしますので、ぜひお気軽にご相談ください。